競馬における『脚質』について

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ごんぬ
ごんぬ

どうも、ごんぬです!

本日は『脚質』についての個人的な考察記事になります。

書こうと思ったきっかけは、某競馬情報サイトの掲示板などで『なんで逃げなかったのか?!』などという議論がされているのを見て、そもそも競馬ファンの皆様は『脚質』についてどう考えているのかな~と思ったからです。

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4つの脚質(戦法)について

まず一般的にイメージされるのが『逃げ・先行・差し・追い込み』の4脚質ではないでしょうか?

私もまさにこれでした。
おそらくダビスタで競馬知識を得たので、そうなったのだと思います。

おそらく大多数の方が見覚えのあるこの画面。
ちなみに脚質についてはJRAサイトの用語辞典にも記載がありました。

やっぱり『逃げ・先行・差し・追い込み』で区分して良いようです。

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最強の脚質とは?

はい、では質問です。
とはいっても競馬中級者以上ならほぼ正答できるとは思います。

『最強の脚質は逃げ・先行・差し・追い込みのどれでしょうか?』

正解は『逃げ』です。
異論はまあ認めますが、根拠としては下記データをご覧ください。

こちらは2023年に行われたJRAの全レースの3コーナー通過順の成績です(9/14現在)
3コーナー進出時点で先頭だった馬が最も勝率&複勝率高く、後方になればなるほど数字は悪くなります。

じゃあ逃げ最強じゃん!!みんな逃げないの?なぁぜなぁぜ??

という疑問になるはずです。

開幕週で芝の状態もいいのに、スローペースの前残りとかもよく見かけますよね?

騎手の無気力騎乗?勉強不足?バカなの?

そんなわけはありません

その点について私の分野であるピッチカウントの視点も入れつつ、考察します。

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逃げることができない

逃げることが最強であることはデータ上もそうなのですが、たいていの場合逃げることができないというのが実際のところです。

逃げるために必要なのは『初速』です。

もうちょっというと基本的には1コーナーまでの初速です。1コーナー(ワンターンの場合は3コーナー)進入時点で先頭を取りきっているとコーナーリングの利を活かしてそのまま逃げやすくなるからです。

で、この初速に大きくかかわってくるのが『ピッチ速度』です。回転数ですね。

速度はストライド幅×ピッチ数で出せますが、初速に関してはピッチ速度の最大数が高いほうが有利です。これは自転車や自動車の発進で考えてみるとわかりやすいかと思います。

なので競走馬の性質で『ストライドが伸びる』『飛ぶように走る』みたいな馬はスタートで不利、という特性も持っていることになります。ディープインパクトとかはまさにこれですね。出していきたくても初速で不利なのでそういう競馬をせざるを得ない、というのが実際のところでしょう。

それ以外にもそもそも足が遅い、ゲートの反応が悪い、気性が荒い、などなどの欠点によって逃げることができない馬も多数います。逃げることができる、というのはそれだけで大きな武器であり、この戦法を取れる馬は選ばれた存在だといっても過言ではないのです。

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逃げたくない

最強の戦法である『逃げ』をあえて選ばない場合もあります。

逃げという作戦はあくまで真っ向から戦う作戦です。それ自体は一番勝率は高いのですが、レースになると敵は多数います。図式的には1VS多数になりやすい作戦でもあります。

特に自分よりも強い馬に番手につけられる展開は厳しいです。
番手とは逃げ馬を目標にできる位置で、基本的には2番手のことを指します。最終コーナーあたりまで逃げ馬を目標にし、最後の直線で競り落とそうとする作戦です。

逃げ馬としては後ろについてくる馬がいたり、外からプレッシャーをかけられたりするのはストレスになるもの。ひどい場合はレース自体を嫌がったり諦めたりする馬もいます。トップジョッキーだった福永元騎手もこのあたりについて言及しており、現役時に逃げは最後の作戦としていたようです。

特に将来性のある馬に関してはより控える競馬をしたくなるでしょう。

というのもクラス制である以上、勝ち上がっていけばいくほど周囲の馬のレベルが上がり、より逃げることに関しての負荷は高くなります。サイレンススズカ、ミホノブルボンなどのようにどんな馬が来ても真っ向から叩き潰しきれるだけのスピードとスタミナがあれば別ですが・・・

また逃げ同士が多数になってしまうとハイペースになってしまい、スタミナ切れを起こすとたいていの場合は実力以下に大敗してしまうことになります。

騎手心理として避けたくなるのもわかります。

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最強の逃げとは?

これに関してはレジェンド武豊騎手がサイレンススズカの回想談話で語っています。

58秒で行って58秒で上がってくる競馬
(Number689号「1分56秒──理想のサラブレッド、サイレンススズカ」より)

私もこれが最強の競馬だと思います。

ちなみに気になってサイレンススズカの金鯱賞のピッチカウントをとってみたところ、280でした。
どちらかというとピッチ寄りですね。現代の馬に置き換えるならジャックドールよりもパンサラッサに近いタイプ。ピッチの速度があって、スタミナも備えているというタイプだと思います。

ちなみにパンサラッサが2022年の天皇賞秋で刻んだラップが57.4-60.2。

58.0-58.0が出来たら現役世界最高レーティングのイクイノックスに1.5秒差の大差をつけて影も踏ませぬ圧勝になっているので、約20年たった今でもどれだけヤバいことかわかります。

で、ここからはあくまで想像の域ですが最強の逃げ馬はストライドが伸びるが初速速いタイプの馬ではないかな~と思います。

何言うてるの!ってなると思いますが、現にピッチ数を調整するタイプの競走馬も稀にいます。センスがいいのか頭がいいのか。コーナーリング器用なタイプとかが近いイメージです。

前述のパンサラッサのようにピッチタイプに寄っちゃってる馬(2000mで290くらい)は初速速い分、どうしても最後は脚が上がってしまいがち。そりゃ他の馬よりたくさん脚を動かしているので仕方なし。

なのでスタートセンスが良くて、かつ序盤は回転数上げて初速を出し、巡航状態になったらストライドが伸びる馬がいたらそれが最強なのでは?ってなります。現状一番近いのがジャックドール。初速部分がやや甘いですが、2000m以上のスピード馬場なら一番理想を体現できそう。

あ、ちなみにタイトルホルダーもピッチですね。豊富なスタミナはありますが、基本的はオーバーペースは無理な馬だと思います。宝塚記念では日本レコードで勝っていますが、高速馬場と道中息が入る部分がありましたし、1000m通過自体は58秒台後半くらいとちょっと早いかな、くらいでしたので。ただこの馬のスタミナやピッチを考えると内回りコースの阪神3000では史上最強なのでは?って思っちゃいますね。菊花賞も天皇賞も阪神で行われたのは時代にも恵まれた感。

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馬券的なこと

最後にチラっと。

ほぼ逃げについてのことの考察に終わりましたが、狙うべきは『ハイペース時のストライド逃げ馬』が一番打点高いんじゃないかな~、って思います。

ピッチ馬はたいてい初速速いので毎回逃げることができますが、ストライド馬は初速遅いのでメンバーや枠、ゲートのタイミングなどなどで逃げれないこともあります。

ですが逃げれたときに、かつハイペースになった場合は止まりにくいという特性もあり、ハイペースを作る要因となっているであろうその他のピッチ逃げ馬、先行馬が止まってしまってその馬が残ることになります。

めちゃくちゃ旬な馬だと先日のセントウルSを勝ったテイエムスパーダがそれです。
コーナー形状と開幕馬場から内枠先行だと思っていた私は狙えませんでしたが、このレースで一番ピッチ数が少なかった馬はこの馬でした。まさか内のピッチ先行勢のレジェーロやヴァトレニ、ジャングロ、ビッグシーザーよりもこの馬が前を取りきっているとは思いませんでした。

行けちゃえば止まらない、というリスク付きですが見返りも大きいので今後も見つけたら積極的に追い続けてみようと思います。

条件つけると
・距離延長などのローテーションで前走は逃げれていない
・過去に逃げた経験あり
・外目の枠
などなどがあると加点かもしれません。

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